過失割合に関する交渉・訴訟による解決事例
第1 過失割合に関する交渉による解決
交通事故において、双方の過失割合が問題となるケースは多々あります。
過失割合については、訴訟前の交渉で解決する場合もあります。最近の担当事件においても、ドライブレコーダーの記録内容や、双方の車両の損傷箇所・損傷状況に基づき、保険会社側との交渉を行い、無事に過失割合について示談が成立しました。
第2 過失割合に関する訴訟による解決事例
- 概要
他方、過失割合について、交渉では双方が納得する結論になかなか至らないという場合があります。そういった際には、訴訟での解決を図っていくこととなります。最近私の方で担当し、過失割合が主な争点となった事件について、訴訟を通じて解決に至った事例をご紹介します。 - 解決事例
- 事故状況
交差点において、双方車両が並走しながら左折中に、接触した事故 - 争点
- A側(当方側)の言い分
B車両の方が、左折しながら速度をあげてA車両を追い越したために、接触してしまった - B側(相手方)の言い分
- B車両は、追い越しなどしていないし、衝突した地点は、交差点(左折中)でなく、左折し終わった交差点の先の路上
- その路上で、A車両が突然、進路を変更したことにより、B車両に衝突した
- A側(当方側)の言い分
- 裁判の経緯
このように、事故状況に関する双方の言い分は大きく食い違っていたものの、裁判にて、いかのような点が明らかになりました。- 当方にて警察署から取り寄せた物件事故報告書に、A側の言い分に沿う内容が記載
- 双方の車両の損傷箇所をみると、やはり、A側の言い分に沿う痕跡が遺されている
- 訴訟の最終版に実施された当事者尋問にて、B本人から、B自身の言い分と矛盾する証言が引き出された
- 裁判の結果
以上から、裁判所による判決内容は、B側の過失を大きく認めるというもので、A側の主張が概ね認められるかたちで解決に至りました。
- 事故状況
第3 まとめ
過失割合について、交渉による解決、訴訟による解決、いずれにしても、証拠が極めて重要です。ドライブレコーダーの早期の記録保存は勿論、周囲の防犯カメラの早期の保全や、捜査記録の閲覧・謄写といった、様々な方法で証拠を確保することが、解決に繋がります。